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以上のような感じで、のんびりとした旅は終わりました。 三週間後、めのう細工を指導してくださった方から、「お元気ですか」という温かい自筆の手紙と共に、体験で作っためのう細工が送られてきました。 残念ながら、めのうのことも旅のことも、母の記憶からは消えていました。 でも、届いためのうを見て、 「きれいねぇ…」 と言いました。 ただ、脳の記憶が消えただけです。 脳の記憶の領域は通さないで、細胞のひとつひとつや、感覚は、その体験の記憶を覚えているのかもしれない。 そんなことをふと思いました。 ***** 恥ずかしながら、それまで私は変わりつつある母に、少し焦っていました。 「数日前に言ったじゃない!覚えてないの?!」 そんな言葉ぶつけても、どうしようもないのです。 例えば私が、 「一昨日行った沖縄、楽しかったねぇ。」 と、突然振られても、行ったことのない(=記憶もない)ことを言われても、はぁ?となってしまうのです。 それに重ねて、上のような言葉を畳みかけられたら、たまったものじゃありません。 この旅行で得たのは、そういうことでした。 現状を受け入れよう、と。 覚えてないのは記憶だけ。 だから、瞬間瞬間を楽しい思いですごしていれば、きっと細胞や感覚レベルで覚えていて、生き生きといられるのではないかと思ってます。 そしてもうひとつ、母の記憶の汲み上げをしたいと。 今回の旅で、私の知らなかった母の昔の生活文化を垣間見ることができました。 それを、記憶が消えてしまう前に、たくさん話をして、私の記憶に留めよう、とも思いました。 ***** こんな感じで、母との旅行はおしまいです。 記憶に残らない旅、それでも行けてよかったと思っています。 得ることは本当に多く、私自身は忘れがたい旅でした。 |
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